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引っ越しや大掃除のとき、ふと手が止まってしまう瞬間がありませんか。
「この壊れた収納ケース、大きいけど粗大ごみ?」
「昔使っていたドライヤーは、燃えないゴミでいいのかな?」
そんなゴミ分別の悩みを抱えているのは、あなただけではありません。

特に「粗大ごみ」「資源ごみ」「燃えないゴミ」の3つの区分は、基準が分かりにくく、自治体によってルールが違うため混乱しがちです。
この記事では、そんな複雑なゴミ分別の基準を、誰にでも分かるように徹底的に解説します。
さらに、記事冒頭では見ただけで判断できる「分別フローチャート」もご用意しました。
この記事を読めば、もうゴミ出しの朝に迷うことはなくなり、スマートで快適な毎日を送れるようになります。

目次

もう迷わない!3つのゴミの基準が一目でわかる分別フローチャート

まずは結論から見ていきましょう。
目の前にあるゴミがどれに当てはまるか、以下のフローチャートで確認してみてください。
この基本的な流れを掴むだけで、ほとんどのゴミは正しく分別できます。

ステップ 判断基準 YESの場合 NOの場合
Step 1 最大の辺が 30cm を超えるか? 粗大ごみ (有料・要申込) Step 2 へ進む
Step 2 リサイクルできる資源か?(汚れていないか?) 資源ごみ (無料) Step 3 へ進む
Step 3 燃えにくい素材か?(金属・ガラス・陶器など) 燃えないゴミ (無料) 可燃ごみ

分別の基本はこの3ステップでOK

フローチャートの考え方を、もう少し詳しく見ていきましょう。
ゴミの分別は、以下の3つのステップで考えると非常にシンプルになります。

  1. Step1: まずはサイズで「粗大ごみ」か判断
    最初に確認するのは大きさです。
    一番長い部分が30cmを超えるものは、基本的に「粗大ごみ」と考えてよいでしょう。

  2. Step2: 次にリサイクルできるかで「資源ごみ」か判断
    粗大ごみでなければ、次にリサイクルできるかどうかを見ます。
    紙、缶、びん、ペットボトルなどで、汚れのないきれいな状態のものは「資源ごみ」です。

  3. Step3: 残ったものが「燃えないゴミ」か「可燃ごみ」
    粗大ごみでも資源ごみでもないものは、最後に素材で判断します。
    金属やガラス、陶磁器など、燃えにくい素材でできているものが「燃えないゴミ」になります。

「粗大ごみ」になる基準とは?手数料や注意点を解説

3つのゴミ区分の中でも、特にルールが厳格なのが「粗大ごみ」です。
これは、処分に特別な手間とコストがかかるためで、基本的に有料かつ事前の申し込みが必要になります。
間違えて通常のゴミステーションに出してしまうと回収されず、トラブルの原因にもなりかねません。

判断基準は「最大の辺が30cmを超える」が一般的

多くの自治体で採用されている粗大ごみの基準は、「最大の辺または直径が30cmを超えるもの」です。
まずはメジャーを片手に、捨てたいものの最も長い部分を測ってみましょう。
ただし、これはあくまで一般的な基準です。
自治体によっては「棒状のものは1mを超えるもの」といった独自の基準を設けている場合もあります。
正確なルールは、必ずお住まいの自治体のホームページやごみ分別のパンフレットで確認してください。

粗大ごみになる主な品目例

具体的にどのようなものが粗大ごみになるのか、以下の表で確認してみましょう。

カテゴリ 具体的な品目例
家具類 タンス、食器棚、本棚、椅子、ソファー、机、ベッドフレーム
寝具類 布団、マットレス(スプリング入りは要確認)、カーペット、じゅうたん
家電製品 電子レンジ、掃除機、扇風機、ストーブ(灯油は抜く)
その他 自転車、三輪車、スーツケース、ゴルフバッグ、物干し竿

【要注意】粗大ごみとして出せないもの(家電リサイクル法対象品など)

大きなゴミだからといって、すべてが粗大ごみとして出せるわけではありません。
特に注意が必要なのが、法律でリサイクルが義務付けられている製品です。
以下のものは自治体では回収できないため、絶対に粗大ごみとして申し込まないでください。

  • 家電リサイクル法対象の4品目

    • エアコン
    • テレビ(ブラウン管、液晶、プラズマ)
    • 冷蔵庫・冷凍庫
    • 洗濯機・衣類乾燥機
    • 処分方法: 購入した販売店か、買い替えをする店舗に引き取りを依頼します。
  • 処理が困難なもの

    • タイヤ、バッテリー、ピアノ、消火器、プロパンガスボンベ、耐火金庫など
    • 処分方法: 専門の処理業者や販売店に問い合わせる必要があります。

「資源ごみ」になる基準とは?リサイクルのためのポイント

「資源ごみ」は、単なる不要品ではありません。
正しく分別することで、新しい製品に生まれ変わる可能性を秘めた「未来の資源」です。
この分別は、環境負荷を減らし、限りある資源を有効活用するための大切なアクションと言えます。
少しの手間をかけることで、未来への投資につながるのです。

判断基準は「リサイクル可能」で「汚れていない」こと

資源ごみとして回収してもらうためには、2つの重要な条件があります。
1つ目は、素材が「リサイクル可能」であることです。
ペットボトルや紙パックなどについているリサイクルマークが目印になります。

2つ目は、中身が空で「汚れていない」ことです。
食べ物や飲み物の残りかすが付着していると、リサイクル工場で品質が下がったり、機械が故障したりする原因になります。
汚れがひどいものは、残念ながらリサイクルできず、可燃ごみや不燃ごみとして出す必要があります。

資源ごみになる主な品目例と出し方のコツ

資源ごみの種類は多岐にわたります。
品目ごとに正しい出し方の「コツ」がありますので、以下の表を参考にしてください。

カテゴリ 具体的な品目例 出し方のコツ
紙類 新聞、雑誌、段ボール、紙パック、お菓子の箱 – 種類ごとにひもで十字に縛る
– 紙パックは洗って開いて乾かす
– 汚れた紙や防水加工された紙は可燃ごみへ
缶類 アルミ缶、スチール缶 – 中を軽くすすぐ
– 自治体の指示に従って潰すかそのまま出す
びん類 飲料用・食品用のびん – キャップとラベルを外す
– 中を軽くすすぐ
– 化粧品のびんや割れたびんは燃えないごみへ
ペットボトル PETマークのある飲料用・食品用ボトル – キャップとラベルを必ず外す
– 中を軽くすすいで潰す
– キャップとラベルはプラスチック資源ごみなどへ
古布 衣類、タオル、毛布 – 洗濯して乾いた状態で、透明な袋に入れる
– 濡れたもの、ひどく汚れたもの、破れたものは可燃ごみへ

「燃えないゴミ(不燃ごみ)」になる基準とは?

粗大ごみでもなく、資源ごみにも当てはまらないもの。
その中で、燃えにくい素材でできているものが「燃えないゴミ」です。
多くの自治体では「不燃ごみ」という名称が使われていますが、基本的には同じものを指します。
これらは最終的に埋め立て処分されるため、できるだけ出さない工夫も大切です。

判断基準は「素材(金属・ガラス・陶磁器など)」と「サイズ」

燃えないゴミかどうかを判断するポイントは、主に「素材」と「サイズ」です。
金属、ガラス、陶磁器、あるいはそれらが複合的に使われている製品が対象となります。
これらは焼却炉で燃え残ったり、炉を傷めたりする可能性があるため、分別が必要です。

サイズについては、粗大ごみの基準である「30cm」未満で、自治体指定のゴミ袋に入るものが目安となります。
硬いプラスチック製品なども、自治体によっては燃えないゴミに分類されることがあります。

燃えないゴミになる主な品目例

日常生活では、以下のようなものが燃えないゴミに分類されます。

  • 陶磁器・ガラス類

    • 割れた食器(茶碗、皿)
    • ガラスのコップ、鏡、電球
    • ※割れたものは新聞紙などで包み「キケン」と表示すると安全です。
  • 金属製品

    • フライパン、やかん、鍋
    • ハサミ、カミソリ、包丁
    • ※刃物は厚紙などで包み、安全に配慮して出しましょう。
  • 小型の家電製品

    • ドライヤー、アイロン、電気ケトル
    • ※30cmを超えるものは粗大ごみになります。
  • その他

    • 使い切ったスプレー缶、カセットボンベ(必ず穴を開ける)
    • 傘(布と骨を分ける場合も)
    • 使い捨てカイロ、保冷剤

【実践編】これって何ゴミ?引っ越し・大掃除で迷う10品目Q&A

ここまで基本的な基準を解説してきましたが、実際のゴミを前にすると「これはどっち?」と迷うものは多いものです。
ここでは、読者の皆さんが特に判断に困るであろう3つの品目について、Q&A形式でズバリお答えします。

Q1. 壊れたプラスチックの収納ケース

A. 大きさで判断します。30cm超なら「粗大ごみ」、未満なら自治体によります。

プラスチック製品の扱いは、自治体によって大きく分かれるため注意が必要です。
まず、一番長い部分が30cmを超える場合は、素材に関わらず「粗大ごみ」として申し込みましょう。

30cm未満の場合は、お住まいの自治体のルールを確認する必要があります。
ハサミで切れないような硬いプラスチックを「燃えないゴミ(不燃ごみ)」とする地域もあれば、焼却施設の性能が高く「可燃ごみ」としてまとめて回収する地域もあります。

Q2. 古いドライヤーやアイロン

A. 30cm未満なら「燃えないゴミ」が一般的ですが、「小型家電リサイクル」の対象にもなります。

ドライヤーやアイロンのような小型の家電は、30cm未満であれば「燃えないゴミ」として出すのが一般的です。
しかし、これらの製品には貴金属やレアメタルといった貴重な資源が含まれているため、国は「小型家電リサイクル法」に基づきリサイクルを推進しています。

市役所や地域の公民館、一部の家電量販店などには専用の「回収ボックス」が設置されています。
ゴミとして捨てる前に、ぜひお近くの回収ボックスの利用を検討してみてください。

Q3. 中身が残った化粧品のびん

A. 中身は可燃ごみへ。びんの汚れ具合で「資源ごみ」か「燃えないゴミ」に分かれます。

マニキュアやクリームなど、中身が残った化粧品のびんはそのままでは出せません。
まず、中身を新聞紙や布に広げて出し切り、乾かしてから「可燃ごみ」として捨ててください。

空になったびんは、きれいに洗って汚れが完全に落ちれば「資源ごみ(びん)」として出せます。
しかし、ラメや油分がこびりついて洗ってもきれいにならない場合は、リサイクルができないため「燃えないゴミ」として処分しましょう。

なぜ?自治体によってルールが違う理由と自分の街の調べ方

「隣の市ではプラスチックは燃えるゴミなのに、うちはなぜダメなの?」
引っ越しを経験したことがある人なら、一度はこんな疑問を抱いたことがあるかもしれません。
日本のごみ分別ルールは全国で統一されておらず、市区町村ごとに定められています。
このルールの違いは、住民を悩ませる大きな原因となっています。

その最大の理由は、各自治体が持つ「ごみ焼却施設(クリーンセンター)の性能」の違いにあります。
最新式の高性能な焼却炉を持つ自治体では、高温でダイオキシンなどの有害物質を発生させずに処理できるため、プラスチック類も「可燃ごみ」として受け入れることができます。
一方で、旧式の施設では、炉を傷めたり有害物質が発生したりするリスクを避けるため、より細かい分別が必要になるのです。

【コラム】横浜市はなぜプラスチックの分別が細かいの?

例えば、横浜市ではプラスチック製品の分別が非常に細かいことで知られています。
これは、プラスチックを単に燃やすのではなく、貴重な資源として最大限リサイクルしようという市の明確な方針があるためです。
シャンプーのボトルのような商品を包んでいた「容器包装」と、プラスチック製のおもちゃのような「製品そのもの」を分けて回収し、それぞれに適したリサイクルルートに乗せています。
一見面倒に思えるルールも、その背景を知ることで、環境への貢献につながっていることが分かります。

正確な情報は「自治体公式サイト」で!アプリやAIチャットも便利

このように、ゴミの分別は住んでいる場所のルールに従うのが大原則です。
迷ったときに最も確実なのは、お住まいの自治体の公式情報を確認することです。

  • インターネットで検索: 「〇〇市 ごみ 分別」のように検索すれば、品目ごとの分別方法をまとめたページがすぐに見つかります。
  • ごみ分別アプリ: 多くの自治体が、収集日を知らせてくれたり、品目名で分別方法を検索できたりする公式スマートフォンアプリを提供しています。
  • AIチャットボット: 最近では、LINEや公式サイト上でAIが自動で分別方法を答えてくれるサービス(AIごみナビなど)を導入する自治体も増えています。

これらのツールを活用し、正しい情報を手に入れる習慣をつけることが、分別マスターへの近道です。

捨てる前に!粗大ごみをお得&エコに手放す3つの方法

特に粗大ごみは、処分に手数料がかかるうえ、申し込みや運び出しの手間もかかります。
もし、まだ使える状態のものであれば、ゴミとして捨てる前に少しだけ立ち止まってみませんか?
ここでは、お得で環境にもやさしい3つの手放し方をご紹介します。

方法1: フリマアプリやリサイクルショップで売る

まだ十分に使える家具や家電は、フリマアプリやリサイクルショップで売却できる可能性があります。
少しでもお金になれば、粗大ごみ手数料を払うよりずっとお得です。
写真を撮って出品したり、お店に持ち込んだりする手間はかかりますが、必要としている誰かに使ってもらえる喜びも感じられます。

方法2: 「ジモティー」などで地域の人に譲る

「売るほどではないけれど、捨てるのはもったいない…」そんなときに便利なのが、地域の掲示板サイト「ジモティー」です。
手数料無料で、不要なものを「譲りたい人」と「欲しい人」をつなげてくれます。
近所の人との取引なら、大きな家具でも運び出す手間を軽減できるかもしれません。
横浜市のように、自治体自体がジモティーと連携してリユースを推奨しているケースもあります。

まとめ:正しい分別は、暮らしを快適にし未来へつながる

「粗大ごみ」「資源ごみ」「燃えないゴミ」の分別は、一見すると複雑で面倒に感じるかもしれません。
しかし、その基準となるポイントは「サイズ」「リサイクルできるか」「素材」という、とてもシンプルなものです。

ゴミの種類 判断のポイント
粗大ごみ 最大の辺が 30cm を超えるか
資源ごみ リサイクル可能で、汚れていない
燃えないゴミ 金属・ガラス・陶器など燃えにくい素材か

一度この基本ルールを理解すれば、日々のゴミ出しで迷うことは格段に減り、暮らしはもっと快適になります。
そして、その一つひとつの正しい分別が、ゴミの減量や資源の有効活用につながり、私たちの未来の環境を守るための大切な一歩となるのです。
この記事が、あなたのスマートでエコな暮らしのきっかけになれば幸いです。

この記事を書いた人
この記事を書いた人

浅野 剛史

合同会社 R&A代表
廃品回収・リサイクル専門家・不用品回収アドバイザー

20年以上にわたってリサイクル業界の現場で活躍。
現在も現場にたちその経験に基づいた情報を発信しています。

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